-五万石ふじ-
しなやかに垂れる花姿は、振り袖姿のあでやかな女性を思わせ、日本では、古(いにしえ)より「ふじ」を女性に、「まつ」を男性にたとえ、対で寄り添うように植えられていたそうです。
今日のように藤棚を愛でるようになったのは江戸時代からといわれ、これらの7株のふじは、かつて城の入口付近にあったものを明治44年(1911年)に移植したものです。約1300平方メートル(800畳)の棚一面につるをはわせ、花穂が1メートルほどになるその姿から、生い立ちの古さが見て取れます。
五万石ふじは、岡崎藩の所領石高(土地の評価単位で玄米生産高)にちなみ名付けられています。5月の初旬、かつての岡崎城主も愛でたであろう藤棚は今も変わらず優美な花姿を見せてくれます。
ちなみに、ふじは、岡崎市の花にも指定されています。
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