横矢掛の機能と構造-城壁から敵を攻撃する-
「横矢」は「横矢掛(よこやがかり)」ともいい、城壁を曲げることで城壁に近い敵兵を2方向以上から弓や鉄砲で攻撃する城の防衛システムの基本と言えるものです。城壁を曲げる方法はいくつかありますが、「屏風折れ(びょうぶおれ)」と「横矢枡形(よこやますがた)」が風呂谷曲輪と菅生川端石垣で見ることが出来ます。「屏風折れ」はその名のとおり屏風を折ったような形状をしており、「横矢枡形」は城壁ラインに枡形(方形の突出した部分)を設けることで横矢がかけられる構造となっています。
菅生川端石垣には3か所もの「横矢枡形」が備えられています。3か所の内、中央の横矢枡形が最も規模が大きく、幅約10.4メートル、石垣から約3.6メートル突出(石垣の天端で計測)しています。
各横矢枡形の距離は約80メートルを測りますが、これは鉄砲が主力の時代、横矢枡形間の中央部であっても十分に威力を発揮できる間隔を保っています。
菅生川端石垣は菅生川に面し、増水時には水流が直撃することも想定されることから、横矢枡形が防御目的以外にも水流を弱めるなどの治水機能も考慮された構造を想定することも可能かもしれません。
撮影日:2017年03月25日 16時40分
カメラ:メーカ=Panasonic モデル=HC-WX990M
Copyright:(C)Azutelier
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