【空気圧縮機】
①空気圧縮機・・・D51 に搭載されている空気圧縮機は、複式空気圧縮機と言います。空気圧縮機も基本的には蒸気で動きますが、高圧蒸気ピストンに蒸気を注入し、高圧蒸気ピストンと連結されている低圧空気ピストンを動かします。すると、低圧空気ピストンから高圧空気ピストンへと空気が移動されます。空気を送るのと同時に高圧蒸気ピストンの反対側に溜まっていた蒸気を低圧蒸気ピストンへ送り、今度は低圧蒸気ピストンと連結されている高圧空気ピストンを動かします。つまりは、空気は軸の太い低圧空気ピストンから軸の細い高圧空気ピストンへ同じ量送られていくので圧縮され、それと反対に、圧縮機動作のための
蒸気は高圧蒸気ピストンから低圧蒸気ピストンへ同じ量流れていくので、圧縮(動作)するための力はより少なくて済みます。蒸気ピストンと空気ピストンの軸が同じ単式空気圧縮機に比べ、3分の1の蒸気で、3倍以上の圧縮能力があるとか。
なお、圧縮されて吐出された空気は、機関車内の④元空気溜、さらにはブレーキ弁の位置により連結された列車の補助空気溜へも送られます。また、空気圧縮機からの蒸気の排気については、給水温め器や、⑤1×1.5 油ポンプ(空気圧縮機用給油ポンプ)の、水や油を暖房するために使われるようになっています。
②空気チリコシ・・・大きな筒と小さな筒の間に巻毛を挟んでおり、空気は大きな筒の外側から入り、巻毛を通過してチリを濾して、小さな筒の内側へ流れます。なお、チリコシは、さらに大きなカバーで覆われており、泥などが入らないように下向きに取り付けられています。
③調圧器・・・④元空気溜内の空気圧力により、圧力が低い場合は①空気圧縮機を動かし、所定圧力になると①空気圧縮機を自動的に止める装置です。
【コラム】
①空気圧縮機で作られた圧縮空気は、⑥ブレーキのほか、シリンダー排水弁やバイパス弁の操作、砂撒きなどに使われます。
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